作品紹介 033 便所虫の歌



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 『便所虫の歌』

目次
マリカになる 6
絞首刑 21
遊戯 45
ケツマンコ 72
フォークとナイフ 108
飢えたメスブタ 140
謎めいた男 168
ボールを握る 193
夜のゲーム 220
激痛の応酬 246
ボロボロの乳房 268
ゲームオーバー 291
コンクリート 317
求めてくれる男 340
月曜日だから 366
残忍ないじめ 392
厳しい拷問 419
いきっぱなし 446
生まれながらの便所虫 478
   奥付 507

51980文字
400字130枚



自ら被虐の地獄へ向かうOLマリカ
金曜日の夜、彼女は「マリカ」になる。そして掲示板「便所虫の歌」に書き込まれたリクエストに応えるために、見知らぬ相手に裸身を委ねる――。
平日は団体職員として冷静に仕事のみ遂行するOLの彼女が、どんな要望にも「ノー」と言わないマリカとしてさまざまな責めを受けるうちに、リクエストする側もエスカレートしていく。しかも彼女は月曜になるとそのときのことをほとんど覚えていないのだった。
欲望のままに体を犠牲にしていく彼女の姿を描くSM小説。そして、深く強く、捻れた愛の姿。過激すぎる描写もありますので、ご注意ください。
 

 主な責め
  拷問 猟奇 調教 スパンキング SM 奴隷 野外露出 人間便器

 初出 ブログ版 ダイジェストのみとなっています。

著者からのメッセージ

 私、あんぷらぐどの初期の作品でとても多くの読者に愛されている『家畜妻の歌』があります。
 なぜ「歌」とつけたのか。それはいまもって私にも謎ですが、警察隠語で「歌う」というのは「自供する」ことだったりします。
 私の作品は隠の世界でもあるので、どちらの意味かと問われたら、隠語がふさわしいと思っています。
 あんぷらぐどの作品は、初期から一人称の自分語り、つまり「独白」を多用しています。最後に死んでしまう主人公でさえも独白です(『M穴地獄 デッドライン』)。
 独白の魅力は、その人の見えたり、聞こえたり、体験したり、感じたことしか描けないという制約です。通常、制約はよくない、もっと自由になりたい、という気持ちがあるものでしょう。ですが、ここは陰の世界。
 狭く、きゅうくつで不自由な状況のほうがふさわしいのではないでしょうか。
 また、あんぷらぐど作品の多くは切迫しています。「どうにもならない衝動」に突き動かされて、「どうにもならない状況」に自ら突き進み、その進む速度を加速させていく主人公たちが多いのも特徴です。
 この点で『便所虫の歌』は、まさに主人公が「歌う」(自白する)作品です。冒頭から主人公は「懺悔」しています。
 金曜日から日曜の深夜まで、主人公の女性は、ネットの掲示板「便所虫の歌」に書き込まれるリクエストに応じて、おそろしい人たちに身を委ね、どんなことでもノーとは言わない肉人形になるのです。
 全身を傷だらけにされながらも月曜日には団体職員として定時に出社し、周囲に一目置かれるほどキッチリと仕事をしています。
 しかも金曜から日曜の記憶はほとんどありません。手掛かりは「便所虫の歌」に相手がアップした写真や記事。そして主人公も自ら簡単なメモだけはするようになって、それと体の傷や痛みから思い出して独白しているのです。
 数々の暴虐を受け、ついには文字通りの便器にされて死を待つのみとなっていく彼女。
 そんな彼女を遠くから見守る男。
 彼は彼女視点からすれば、謎です。なぜ親切なのか。なぜ助けてくれるのか。彼女にはわかりません。
 彼女はその男の手の平から出ていないとも言えます。そのような強烈な週末を過ごすことさえも、男にとっては愛する女性とのプレイなのではないか。
 もっとも本作中には、それが同じ1人の男なのかさえも明確に記されていません。主人公の記憶が曖昧だからですが、彼女にとっては気にならないのです。
 いつもテーマとしているSとM、支配する側とされる側からは、外れているかもしれません。ここでは誰が誰を支配しているのかは、それほど問題ではないからです。
 ただ、主人公は常に支配される側にいることを望んでいるわけで、その強烈すぎるマゾヒズムを自分で管理しようとして失敗しているのです。
 一般的にはこれほど破綻している人物を主人公にするとストーリーが成り立たないことも多いのですが、幸いにも彼女を見守る存在のおかげで、かろうじて結末を迎えることができました。
 前半を連載してから、後半を書くまでにも間があいたのも、この男の存在が私自身、よくわからず、話が破綻しつつあったからです。また、連載が終わったあと刊行されるまでも思った以上に加筆修正に時間のかかった作品です。彼女の記憶の曖昧さのブレ具合を調整したり、連載では中途半端に終わっていた責めなどを完遂したり、新たなシーンを付け加えるなど、慎重に進めたためでした。
 最終的に刊行にこぎつけることができ、おそらくいっきにお読みいただき、楽しんでいただける作品に仕上がったと思います。
 ぜひ、お楽しみください。

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