作品紹介 030 M穴地獄



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 『M穴地獄』

目次

T+7 残された音声
T-6 手記 発端
T+6 手記2 拷問部屋
T-5 手記3 穴奴隷
T+5 手記4 乳房拷問
T-4 手記5 女主人
T+4 手記6 排泄穴潰し
T-3 手記7 汚される体
T+3 手記8 性器拷問
T-2 手記9 肛虐ざんまい
T+2 手記10 鞭と針
T-1 手記11 拡張と獣
T+1 手記12 炎
T-0 デッドライン
奥付



約61000文字
400字原稿用紙換算154枚


破滅的な自虐を求める女子校生の手記

 筆者宛に音声データと手記が届けられた。そこには自らの肉体を徹底的に破壊し生きたまま埋められて放置されたいと願う女子校生の話が綴られていた――。
 この手記は最後の部分としての音声データ、そしてそもそもを記した手記が交互に進み、これを越えたら戻ることのできないデッドラインで終わっています。奇妙な構成の作品です。
 SM小説からはややはみ出ている残酷な快楽を求める異常な作品です。
 このため、拷問、血、切断などといった表現もありますので、ご注意ください。


 主な責め
 首輪/鎖/拘束具 猟奇 拷問 SM 調教 獣姦

 初出 ブログ版 ダイジェストのみとなっています。

著者からのメッセージ

『M穴地獄―デッドライン―』は、2014年2月6日から5月24日まで、ブログ「荒縄工房」、通称・本店で連載した『デッドライン・M穴地獄』を加筆修正した作品です。

 この作品は、筆者の中では『玩具にしてください! 変態女子校生・菜津希』と共鳴しています。続きではありませんし、主人公はJKですがまったく違う人物です。ある意味でハッピーエンドとなった菜津希に比べると、『M穴地獄』の主人公は名もなく、背景もなく、被虐世界に突入します。

 また、刊行はされていませんが、『便所虫の歌』という作品が以前にありました。これは、2012年12月2日から本店で連載をして18回で終了。その後、旧「淫美」で45回まで連載しています。

 全体の方向としてはこの『便所虫の歌』の路線です。「小説『堕ちる』特別編」と「小説『堕ちる』Part2 シークレット・バージョン」にあるような、ひたすら主人公が被虐地獄に堕ちていくお話です。

 SM小説といった場合には、被虐傾向をまったく自覚していない相手を貶めたり、罠にかけたり、または恋愛関係からの延長から、調教しつつ被虐の虜にしていくストーリーが、いわば王道といえるものです。

 私が書きはじめていた頃には、このタイプの作品は大御所がたくさんおられて、新人の余地はありませんでした。もちろん、この王道をいく作品も書きたいという気持ちはたっぷりあるので、いずれ取り組もうと思っていますし、すでに「荒縄工房」でもいくつかの作品は、そのタイプも試みています。

 ですが、1980年代に書きはじめた者としては、少し違うタイプの話を生み出す必要もあり、そうした試みに腐心していました。

 時代はそれからいっきに「荒縄工房」を開始した2011年まで飛びますが、ネットで発表する作品については、さらに「一人称で被虐者の独白を描く」という方向に力を注いできました。

 読む側の楽しみ方の違いもあるとは思いますが、告白調の世界はネットによくフィットします。とくに「荒縄工房」作品で「小説」とわざわざタイトルにつけているものは、告白調なので紛らわしいために、あえてつけていたのです。

 実際、別名で「荒縄工房」以前にネットで作品を公表していたときには、「まさかホントじゃないよね」といったコメントもいただいていたので以後、気をつけるようにしていました。

 三人称ながらも被虐者視点で固定したものをいくつか書いています。加虐者視点のものは『美魔女狩り』が典型ですが、王道スタイル(むりやりSMの関係に引きずり込む)を中心にしています。

『玩具にしてください! 変態女子校生・菜津希』を書いたあと、筆者として主人公・菜津希をずいぶんと気に入ってしまったこともあって、SMな世界とは少し違う方向で話を進めていきました。輪姦を中心にした世界です。SM要素はあるものの、文化祭のシーンが主で、全体ではありません。

 そこで同じような主人公で、しかも被虐中心、かなり残酷な方向に振ったらどうなるかと考えたのが、この『M穴地獄―デッドライン―』です。ハッピーエンドを否定するために、冒頭に主人公がおそらくこのまま死んでいくであろう光景からはじまります。

 ただし「一人称の独白」をやりたいがために、ノートにこれまでのことを記載している、という設定にしました。手記というわけです。

 最後のシーンからはじまる物語の方向を考えると、最初に遡っていくパターンが考えられます。でも、それでは私の思う表現ができそうにありません。被虐世界にどっぷりと漬かっていく主人公が、被虐に目覚めた日がエンディングというのもあり得ます。ただ、今回は「そうではないもの」が欲しかったのです。

 次に考えたのは、最後のシーンのあとに最初のシーンがくる、という構成でした。主人公の最初と最後を、作品の冒頭に掲載してしまったら、あとはなにが残るのか。

 それが「デッドライン」ということです。

 世の中には「そこを過ぎたら戻れない」という線引きがあります。この作品の主人公は、自虐的な世界に浸っていくうちに、徐々にデッドラインに近づいていきます。

 当人の手記ですから、一直線に迷うことなく突き進んでしまうように見えるでしょうが、そこにはやはり葛藤があるはず。とはいえこの作品の目的は被虐的で過激なエンターテインメントなので、この葛藤部分はほとんど読み取れないとは思います。その方が、読みやすいですから。

 この「思いついたら一直線」なところは、菜津希と同じです。

 あえて主人公に名をつけなかった理由は2つあります。1つは死に至る酷い話なので、誰か特定の人を示唆するような情報は極力、避けたかったからです。もう1つは、菜津希のようにかわいくなってしまったら、表現がブレていく可能性もあったからです。名もない主人公だからできる、という部分があるかもしれないと思ったからです。

 後者については筆者の杞憂にすぎませんでしたので、名をつけてもよかったかなと、書き終えたあとでは思っています。しかし哀れな被虐者の墓標には名さえもない方がいいのか、という気もしています。

 この作品ではかなり残虐な描写が中心になっています。これは「あんぷらぐど」ならではの作品としてのいわば署名でもありますが、現実には不可能な幻想というか悪夢の表現として取り入れています。

 これは私たちがニュースで触れる「事件」も、当事者でしか知り得ないさまざまな事件の要素の積み重ねであるはずで、そこは証拠を集めて証明することが困難な世界もあるはずだと思うからです。

 せっかくの小説という自由な表現の許された世界で語るのですから、その証明しにくい世界に少しでも触れてみたいわけです。

 ちょっとややこしい話をしてしまいました。味付けを少し変えてみたこの作品を、お楽しみいただければ幸いです。

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※ダウンロードサイトによって、作品数などに違いがあります。ご容赦ください。

 なお、ここで取り上げている作品はすべて、フィクションであり、実在する、人物・地名・団体とは一切関係ありません。また、特定の団体、宗教、人種、性別などを誹謗中傷する意図はありません。

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